3月25日『DMMブックス』では、初回購入に限って70%OFFになるキャンペーンを行いました。**その結果、上限の100冊まで購入する人が続出。社会現象と呼べるほど拡散しました。**想定以上の大反響を踏まえ、当初の予定を大幅に前倒しして終了。DMMの歴史のなかでも最大級のインパクトを残す赤字施策となりました。その顛末と本音を、会長の亀山と電子書籍事業部 部長の細山田に迫ります。
【目次】
『DMMブックス』の「初回購入70%OFFキャンペーン」は3月25日にスタート。6月30日終了の予定でしたが、あまりの反響の大きさに4月12日に前倒しで終了。クーポンを利用したユーザーからは大好評でしたが、割引分を負担したDMMは、このキャンペーンだけでおよそ60億円の赤字を出す結果となりました。
細山田「本当に反省しかありません。反省すれば済むレベルでもないと思っています。普通の会社が何社か吹き飛ぶ規模ですから」
亀山「いや、本音を言うと、金額の大きさにはびっくりしたよ(笑)」
細山田「本当に申し訳ないです」
亀山「広告費の判断は事業部ごとに任せていたけど、赤字が60億くらいになっていたからね」
キャンペーンがスタートした時点では反響がなく、ほとんど無風状態。ところが、4月4日のいくつかのツイートをきっかけに反響が広がっていきました。その中で、上限100冊を購入する人が拡大しました。
バズったことでメディアが取り上げ、さらに拡散。「マイナビニュース」「ねとらぼ」「ITmedia NEWS」「INTERNET Watch」などがさまざまな角度から70%OFFのキャンペーンを紹介し、相乗的に反響が広がりました。
細山田「最初は反響があって喜んでいたのですが、まさか上限の100冊を全部購入する人がそんなに出てくるとは予想していなくて、そのまま続けると会社全体にダメージを与えかねないレベルになってしまいました。試算し直した結果、早めに打ち切るしかない状況になりました。夜中に、数字見ながら、辞表書くしかないな、と」
亀山「俺は、別に最初から、辞めさせる気は全くなかったよ」
細山田「具体的な反省点はいくつかあります。まずは、過去のデータにとらわれてしまった点。実は最大リスクは計算できたんです。期間設定も含めてきちんと想定していれば、条件次第で早期終了の可能性があることを最初からユーザーに伝えられたはずなんです」
細山田「実は、今回前向きな気持ちに切り替えられたのは、キャンペーンの顛末をまとめて会長に報告した際のことでした。起きてしまったことは仕方がない。もちろん、失敗したならきちんと反省はすべきだが、一旦忘れて次の一手を考えろ、と」
亀山「クヨクヨしてても、しょうがない。高くついたとしても、新規会員が増えたのは間違いないんだから、その会員に対して何ができるか、どう活用するかを考えて努力してほしいんだよね」
細山田「どうやって、60億円の責任を取れば良いんだ、とかばかり考えて落ち込んでいました」